広報企画部門asamint
今回の「TOP’S RELAY ~三重の未来を担う経営者に聞く~」のゲストは、前回のゲスト、株式会社On-Co代表の水谷岳史さんからのご紹介で、同社執行役員である福田ミキさんが副代表を務めるWEBマガジン「OTONAMIE」代表の村山祐介さんにお話を伺いました。
▲左)OTONAMIE 代表 村山祐介さん
前回・前々回にご登場いただいた水谷さんと浅尾さんとの出会いは、OTONAMIEの若手プレーヤーと経験者の対談だったのだとか。私自身も、OTONAMIEファンの一人。今回、村山代表のお話が直接聞けるということで、とても楽しみにしていました。
村山さんは三重県津市生まれ。高校卒業後に地元を離れ、京都の大学を経て東京でライブハウスの店長として働き、帰省後は家業である三重県津市の印刷会社「寿印刷」に入社。2015年に新事業としてWEBマガジン「OTONAMIE」を立ち上げました。
現在、三重県各地に暮らす約200名の登録された記者・投稿者が地元のディープで魅力的な情報を記事として発信しています。
スローガンは「三重を世界に、世界の三重へ。」民間初の地方創生プロジェクト!
印刷業界は、WEBに抵抗を抱きがちだとも聞きます。
WEB媒体であるOTONAMIEを始めるにあたって抵抗はなかったのでしょうか?これに関しては、村山さん自身WEBデザインの経験があり特に抵抗がなかったそう。立ち上げに大きな経費が掛からないこともWEBマガジンを選んだ理由の一つでした。WEBの特性を活かし参加型の仕掛けができることも魅力だったといいます。
スローガン「三重を世界に、世界の三重へ。」について伺うと、「少し洒落もありますけどオトナが本気で実行しています。」とにっこり。
「都会で長く暮らして地元に戻ると気づくことも多いんです。自分が暮らす地域は三重の中でも田舎ではないんですが、メディアで取り上げる地方の情報は、哀しい切り取り方をしがちな事が気になりました。マスメディアの影響は大きい。メディア側も強調するのが仕事だとは思いますが、人口が減っていくのは全国的に当たり前!地元からすれば、外から地域を興して欲しいなんて思わないし、お涙頂戴は違うと思いました。そんな気持ちで外の人間がまちおこしに関わるとハレーションが起きます。一緒に楽しむという感覚を大切にしながら現実を伝えたいですね。例えば港町であれば、自然や漁船など、そのままを提供することで都会の人には新鮮に楽しむことができるし、地元の人もありのままを喜んでくれたら嬉しい。田舎の誇り、その地域ならではのものにこそ価値があると思っています。」とのこと。
「田舎の誇り」というキーワードに私自身思い当たることが多く、気が付けば盛大に頷いていました。
OTONAMIEの記者
WEBマガジン「OTONAMIE」を執筆・投稿しているのは、三重県各地に暮らす約200名の記者・投稿者です。
年齢・性別はバラバラで、若干女性の方が多いそうです。基本的に、コンタクト・コミュニケーションが取れる三重在住の人であればOK。三重に関することが、かすってさえいればいいとのこと。執筆料等は発生しませんが、明らかな広告記事は面白くないのでNGということ以外、特に縛りはなく、書きたいこと・好きなことを書くことができます。タイアップとして有料記事もありますが、速攻性がある訳ではないので依頼内容によってはお断りをすることもあるそうです。
村山さんイチオシの面白い記者さんを伺いました。
まず名前が挙がったのは、On-Coの福田さん。あまりに記事が面白かったので直接会いに行かれたそうです。ドムドムバーガーの記事など、シュールなお店の話が多く、クスッと笑えるいい記事が多いそうです。
▲福田さん執筆。話題になった「ドムドムバーガー」の最終日密着レポート記事
次にカメラマンの井村さん。伝説のサーファーの記事が人気で、独特の世界観を持つサーフィンの話題が中心です。メカブの記事も内容は感動的なのに、わざわざ港に炊飯器を持ち込み七輪でメカブを焼いて食べるなど、全力なところが面白いのだとか。
▲OTONAMIEを世に発信するきっかけとなった井村さんの記事
「物書きそれぞれのキャラが出ることが味なので、敢えてリライトしたりトーンを合わせることはしません。執筆にお金は出せなくても、イベントに足を運ぶなど、手伝えることは何でもしてきました。関係作りを大切にすることでOTONAMIEコミュニティができ、新しい仕事が生まれたりもします。記者には個性的で意識が高い人が多く、お金ではない繋がりができたことが財産です。『自分の想い』を色んな人が書いていることこそが、一番のブランドだと思います。」と村山さん。
お金の力に頼らず、自由度の高い表現の場を作り、『OTONAMIEって何だ?』と思わせる仕掛けをする。地道にサイトの知名度を上げる努力をしてきたことが、「記事を書きたい人」を呼んできたのだと感じました。
これから取り組んでいきたいこと
村山さん自身のテーマは離島・漁村。過疎地域への興味から漁村の記者に会いに行き、尾鷲の漁村に感動した経験から、都会から見て面白いのは離島・漁村と考えるようになりました。その後、とある島の問題を知り陳情に同行、その時書いた記事が反響を呼び、メディアにも意義のあることができるという大切さにも気づきました。これからも人との繋がりを大切に伝えていきたいとのこと。
これから取り組みたいことも伺いました。
「『OTONAMIE記者サークル』を作ることですね。OTONAが地方で楽しむということを発信したいので、記者の皆さんに呼びかけ、例えば旅行業者などと組んで『OTONAMIEツアー』とかできたら面白そう。気づいたことを伝えることもできるので、廃れている産業を商品化したり、違うカタチで活用するなど読み物以外でのPRもできますし。あと、『クリエイティブ思考な子どもを育てる』ということにも興味があります。小さい頃から地域の良いところに触れ、実体験はもちろん写真や文章で感性を育ててゆく。根本的なところですよね。」と村山さん。
▲代表の村山さん。この日はZoomでお話を伺いました。
これからも、WEBマガジンOTONAMIEから目が離せませんね!いつかUNICOの取り組みも、OTONAMIEさんに取り上げていただけるよう頑張りたいと思います。
<企業データ>
運営会社 寿印刷工業株式会社
所在地 〒514-2313 三重県津市安濃町今徳1349
代表 村山祐介
主な事業 オフセット印刷全般、広告プランニング、グラフィック・WEBデザイン、デジタルメディア事業(ホームページ制作等)、三重に暮らす・旅するWEBマガジンOTONAMIE運営本部
創立 1955年9月22日
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