株式会社UNICO(ユニコ)

老舗の経営危機を最先端AIを駆使してV字回復「ゑびや」/ サービス産業を元気にするシンクタンク「EBILAB」【TOP’S RELAY】

2020年08月03日(月) 冊子掲載
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広報企画部門asamint

今回のゲストは、前回のゲスト・有限会社二軒茶屋餅角屋本店「伊勢角屋麦酒」の代表取締役社長 鈴木成宗さんからご紹介で、有限会社ゑびや代表取締役/株式会社EBILAB代表取締役CEOの小田島春樹さんにお話しを伺いました。

ゑびやといえば、伊勢内宮前で100年以上の歴史を持つ食堂ですが、ほんの5年ほど前までは、今ほど注目されることはありませんでした。

小田島さんが入社し、マーケティング分析、店舗の改装、商品開発、人材育成、そして最先端AIを活用した技術を駆使し、飛躍的な変貌を遂げるまでのストーリーと、小田島さんのこだわり、今注目を集めるIT活用アイテム、そしてこれからの展望をご紹介します。

「こだわらない」というこだわり 伊勢も数あるステージのひとつ

1985年北海道生まれ、大学ではマーケティングと会計を専攻していたという小田島さん。高校時代は勉強よりもネットオークションでお金を稼ぐことに情熱を燃やしました。

高校2年生の時、ソフトバンクCEO孫さんの映像を観て、ソフトバンクに入社することを決意し一念発起。大学を卒業後有言実行、ソフトバンクに入社し人事と販売の経験から多くのことを学びます。

関わっていた事業が軌道に乗った27歳の時、起業するかベンチャー企業に転職するかを考えていたところ、奥様の実家である「ゑびや大食堂」の事業転換の話が舞い込みます。

下見に伊勢を訪れると「伊勢という知名度」「事業規模」「市場環境の良さ」に商業地としての可能性を感じ、時代に取り残されたような状態の店舗の大改革に着手することになりました。

「元々“伊勢へのこだわり”はありません。ただ、“東京でなければならない理由”もありませんでした。可能性があるなら、まずは行動してみる。こうあるべきだとという価値観に縛られ動かない理由にするのは、すごく勿体ないことだと思うんです。」ここに、小田島さんの「こだわらない軽やかさ」と「縛られないことで生まれる可能性」があるのだと感じました。

▲小田島春樹さん

改革の第一はスタッフのモチベーションを上げること

まず最初に問題に感じたのは、観光業で働く人のモチベーションを上げる施策がないために「おもてなし」が向上していかないということ。サービス業に就く人はオフィスワークが苦手な人が多く、経営者がもうけ追求を優先しがちで働く人を軽視しているのではないか?と業界に対する疑問を呈します。

働く人の賃金を上げるためには収益性を上げなければなりません。収益が取れるサービスを提供するためにはマーケティングに力を注ぎ、デザイナーを起用し、商品開発を行い、検証まで行う必要があります。AIを活用して来店客予測を立てる、広告の効果測定データを取りフィードバックする、テクノロジーを活用して店舗への人の流れを測定する、分析結果を仕入れに反映することで食品ロスを減らし働く人がデータとクリエイティブを活用できる循環を作る、そうした「やれることを、きちんと一つずつやる」積み重ねで『できること』が増えていったといいます。

気が付けば、縮小も考えていたゑびや大食堂の売上は5倍に跳ね上がり、店舗改革のために生み出されたITツールの数々は各方面から注目され、経営・IT活用・人材に関する様々な賞を受賞するまでとなりました。

▲棚にはこれまでの受賞した数々のトロフィーがズラリ。たくさんある賞の中で特に嬉しかったものは、「GREAT COMPANY AWARD 2019 ユニークビジネスモデル賞」(船井財団)と、2018年受賞の「マイクロソフトMVP(AI部門)」。


その後も、店舗改革を実現したノウハウを元に「EBILAB」によってサービス業に有用なITツールが開発され続けています。年間800万人が訪れる伊勢に実在する店舗「ゑびや大食堂」で検証を重ねることができるのも社の強みだと感じました。

EBILABが開発するITツールが店舗ビジネスを救う

老舗の経営危機から生まれた、飲食店舗をサポートする様々なITテクノロジー。

お話を伺うまで小田島さんには大きなバックボーンがあり、洗練されたブレーンが集められたのだろうと思い込んでいました。でも実際は違います。

「しくみ化」するのが好きな女性スタッフが、PC初心者ながらマイクロソフトのセミナーに参加し、そこで学んだ知識を元に、現在では、業界に大注目される「来客予測AI TOUCH POINT BI」のシステム構築にも携わっています。

▲「来客予測AI TOUCH POINT BI」

▲混雑予報AIで、今日の混雑状況がお店に入らなくても一目で確認できます。

スタッフが料理や接客に集中できるよう、煩雑なルーチンワークをITツールで自動的に行えるようにする、お客様の声を即接客に反映できるアンケートのシステムを開発する、日々の日報・売上管理もPCを使わずスマホから簡単に行えるようにする。すべて小田島さんの「笑顔を売るひとが、笑顔でいられる世の中に。」サービス産業を元気にする未来の経営者をサポートしたいという想いが根幹にあります。そして、「なれる素養のある人がなれる環境づくりを」という会社の方針が、従業員のチャレンジ精神を刺激し日々新しいモノ・コトを生み出す原動力になっているのです。

そしていま、EBILABの新サービス「スマート日報」が注目されています。

出典:株式会社EBILABホームページ

売上報告、日報報告、日々のちょっとムダな作業やアナログな作業を無くすITツールで、PCがなくてもスマホから簡単に売り上げや日報が入力でき、管理や店舗経営に役立つデータをグラフで可視化することができます。更には売り上げの予測機能も搭載されているという優れもの。何より月額980円から利用できるサービス業に嬉しいツールです。

▲スマートフォンで操作でき、とても簡単!

飲食店、美容院、クリニック等々、店舗を有する業態全てに対応可能。興味のある方は是非チェックを。

これからの展望について

世の中が臆病になっている今だからこそ、積極的に動きたいという小田島さん。

実際、EBILABのスタッフは、伊勢・沖縄・東京にいて、ITツールを駆使しコミュニケーションを取りながら仕事をしています。これからの時代は地域限定ではないし、家族も含めて生きる場所にはこだわらないと言います。

「地方の企業であってもスタートアップの資金調達はできるし、今は沖縄の観光にも興味を持っていて、状況が許せば1年くらいスペインに渡ってもいい。どこにいても仕事はできることを証明して、若者がこの地域で働く勇気に繋げられたら。」とおっしゃっていました。

小田島さんはゑびやの経営改革の中で戦略に基づく高い収益性を実現し、現場で働く人員の最適化、スタッフのモチベーションを上げる「収入」「休暇」「待遇」を実現、そこで手に入れた「ノウハウ」「テクノロジー」を他の企業に提供することで事業化していくという成功モデルを築き上げました。これからの時代、観光業だけ、飲食業だけと考えるのではなく、「店舗運営」と「システム開発」など複数の事業ポートフォリオを持つことが鍵になるのかもしれません。

現在、新型コロナ対策として、ゑびやでは「WEB来店」サービスを行っています。
店内にある商品を、スタッフさんがリモートで説明。利用者は画面越しでお買い物できるというサービスです。
(店内の様子はこちらから。詳しくは「WEB来店」サービスを)

これからも、こだわりのない軽やかさと新鮮な視点で、時代に求められるイノベーションを起こしていく小田島さんの活躍を期待しつつ、私たちも挑戦し続ける企業でありたいと改めて思いました。

有限会社ゑびや
本店所在地:〒516-0024 三重県伊勢市宇治今在家町13
代表取締役:小田島春樹(おだじま はるき)
創   業:1912年

株式会社EBILAB
所 在 地:〒516-0024 三重県伊勢市宇治今在家町13
代表取締役CEO:小田島春樹(おだじま はるき)
設   立 :2018年6月4日
事 業 内 容 飲食店向けクラウドサービスの開発・販売・サポート

 

★次回は「常に現場を科学する」研究開発型の農業カンパニー あさい農園の浅井雄一郎さんにお話を伺います。

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