
WEB部門もりのこ
Windows Vista で「メイリオ」が、Windows 8 で「游ゴシック」「游明朝」がプリインストールフォント(OSに最初から入っているフォント)として追加されましたが、Windows XP の頃に作られた書類のテンプレート(ひな形)を使う場合など、まだまだ「MS ゴシック」や「MS 明朝」を使わなければならない場面は多いかと思います。
ただ、「MS ゴシック」「MS 明朝」を使用した書類は、どうしても素人くさくなってしまいます。そこで、少しでも見栄えが良くなるような使い方の工夫を探ってみようと思います。
「MS ゴシック」「MS 明朝」は、Windows 3.1 で搭載された日本語フォントです。リョービイマジクス社の写植用フォントの字母をもとに、リコー社がマイクロソフトと共同で開発したものです。
その後、OSと共にバージョンアップを重ねていきます。
「MS ゴシック」と「ゴシック -B」、「MS 明朝」と「本明朝 -L」を並べてみると、ほぼ一緒に見えます。
それぞれを重ねてみたものです。ぱっと見は同じように見えるものの、拡大してみると微妙に違うことが分かります。「MS ゴシック」や「MS 明朝」は、Windows用のフォントとして、モニタの性能が低かった時代に製作されたため、字体の持つ細かな表情が省略されています。
Windows 95 にて、「MS Pゴシック」「MS P明朝」が追加されました。「P」は、「Proportional(プロポーショナル)」の頭文字から取ったものです。
Proportional
主な意味:釣り合った、均整のとれた、比例の、比例した、(…に)比例して
(Weblio 辞書)
文字ごとにそれぞれ文字幅を設定することによって、文字と文字の間のスキマ、文字間を均等に表示するようにしたフォントのことを「プロポーショナルフォント」と言います。「MS ゴシック」「MS 明朝」と比べると、文字間が詰まっています。一行あたりに表示される文字数も「MS ゴシック」「MS 明朝」より多くなります。
「MS Pゴシック」や「MS P明朝」をプロポーショナルフォントと言うのに対し、「MS ゴシック」「MS 明朝」は等幅フォントと言われます。2byte文字(日本語の漢字やかな、全角英数字、全角記号)は全角1文字分の幅を持ち、1byte文字(半角英数字、半角記号、半角カナ)は全角の半分の文字幅となります。
Windows 98では「MS UI Gothic」が追加されました。「UI」は、User Interface(ユーザーインターフェース)の意です。
Interface
主な意味:(二者間の)境界面、接点、共通の問題、インターフェイス
(Weblio 辞書)・ユーザーインターフェース(UI)
例:CUI (Character User Interface)、GUI (Graphical User Interface)など
コンピュータを扱うときに利用者が情報を受け取ったり入力したりするための仕組み。CUIとはキーボード入力のみでコンピュータを操作するUIの仕組みであり、対してGUIは現在ほとんどの人が行うような、ディスプレイ上のカーソルをマウスで動かし、適宜文字入力をするという操作方法である。
(はたらくビビビット)ディスプレイ上にデータをどう表現するかという方法がUI
(はたらくビビビット)
「UI」つまり、システム画面上のダイアログやメニューバーなどでの使用を前提に製作されたフォントということです。限られたスペースでより多くの文字を表示するため、「MS Pゴシック」に比べ、ひらがな、カタカナを2/3程度の幅にしています。
そもそも、システムの画面表示用フォントとして「MS Pゴシック」と置き換えることを目的として製作されているため、明朝はありません。
「MS ゴシック / MS 明朝」と「MS Pゴシック / MS P明朝」は、全角かな・全角英数字に関しては文字幅は同じですが文字間が違い、半角カナ・半角英数字に関しては文字幅も違っています。また、「MS Pゴシック」と「MS UI Gothic」では、全角カナの文字幅が違っているのが分かります。