制作部門てんくる
やってみないと分からない事もある。ポケモンGOはじめて見ました。
7月22日にポケモンGOがアメリカから日本に上陸しておよそ1ヶ月、1億ダウンロードを突破し、その勢いはとどまることを知りません。
賛否両論いろんな考え方があるようですが、話題性があり、人が集まることに目がない筆者は、早速アプリをインストール。就業時間後と休日を使って2週間、がっつりポケモンGOな日々を送りました。そして収集した情報と体験を元にレポートします。
そもそもポケモンGOとは?いまさら聞けない基礎知識
今更聞けない、ポケモンGOの基礎知識をおさらいしておきましょう。
このゲームは、言わずと知れたポケットモンスターのスマホ版ゲームです。GPS機能を用いて、プレーヤーの現在地と現実の地図を使い、実際に歩きながらポケモンを集め、育成したり、ジムを訪ねて他のユーザーとバトルをしたりして楽しみます。
楽しみ方は人それぞれですが、基本的にポケモンを集めるためには、現実世界をひたすら歩く必要があります。人々はポケモンと遭遇するため、ジムでバトルするため、そして「ポケストップ」と呼ばれる、必要なアイテムを打ち出の小槌のように入手できるポイントを求めて動き回ります。ちなみに、アイテムをゲットした後、5分ほど経てば再びアイテムをザクザク提供してくれるので、いくつかのポケストップがある場所では、常に多くの人がウロウロと歩き回り、結構な集客ポイントになります。(問題にもなっていますね。汗)
このゲームを開発し運営するのは、検索サービス大手Google社の社内スタートアップ「ナイアンティックラボ」。全世界で800万人以上のプレーヤーがいるとされる、Ingress(イングレス)の開発チームです。2013年に正式運用が開始されたイングレスは、青と緑のチームに分かれGPSとARを駆使し、実際の町を歩いて繰り広げる壮大な陣取りゲームです。このゲーム内でもポータルと呼ばれる特別な場所が設定されており、それがそのままポケストップとして活用されています。
この集客ポイントを何とか自社の集客に活かせないものでしょうか?
この集客力を見逃す手はない!うまく活用する方法は?
現在、大きな集客能力の可能性を持つポケストップ=イングレスのポータルですが、以前はイングレスのプレイヤーより、ポータルの設置場所を申請することができました。
一定の審査があり、主に街中にある名所・史跡や特徴的な建物、郵便局や店舗などがポータルに登録されています。審査は厳しく、申請から数か月待つことも…。こうしてインフラが整えられ、今話題のポケストップファーム(ポケストップの密集地で特に人が集まるポイント)につながっているのです。
ちなみに、現在は申請の受付を終了しているため、現段階でポケストップを設置してもらうためには、マクドナルドのように企業コラボするしか方法はないようです。でも、安心してください!低価格、しかも簡単な方法で集客に成功した事例を一つ紹介します。
7月30日31日の両日、大阪千林商店街が「モンスターゲットだぜ!大作戦~モンスター取り放題!~」と称した集客イベントを行いました。これは、有料アイテムを使って、ポケストップにポケモンをわんさか集め、それ目当ての人を集客しようという企画です。
この「ルアー」と呼ばれるアイテムを使うと、30分間ポケモンが近寄ってくるようになります。アイテムを使用した人だけでなく、近くにいる人にも恩恵があるため、画面上で桜吹雪が舞うと、ポケモンとともに自然とプレイヤーも集まります。全長660メートルの千林商店街には、全部で11か所のポケストップがあります。イベント中、午前10時から午後7時まで、30分おきに担当者がポケストップを周り、常にポケモンが出現する環境を提供しました。結果はネットでも取り上げられる大盛況!客足は普段の2~3倍、ソフトクリームはいつもの3倍売れたそうです。
「ルアー」はポケストップでもらうこともありますが、お金を出して購入することもできます。この商店街では11か所に9時間(30分に1個)、2日間で、396個必要となります。全てを購入すると34,000円の計算になりますが、イベント担当者によると、実際の出費は3万を切っているとのこと。
これで商店街全体に賑わいができ、普段の何倍も売り上げが上がるなら、とても費用対効果の高い投資といえます。
歩きスマホ・立ち入り禁止区域への侵入など様々な問題も
大人気のポケモンGOですが、ユーザーが増えるに伴い、ご承知の通り様々な問題も出てきているのも事実。歩きスマホに運転スマホ、立ち入り禁止区域への侵入に、若者の深夜徘徊等々、問題が大きくなるにつれて、規制を求める声が高まってきています。
神宮の神域内でも多くのポケモンが現れると話題になりました。と同時に様々な神社や学校・組織が禁止令を出す中、注目されたのが神宮の「神」対応。「神域内の生き物はそっとしておいてあげてほしい」という趣旨の張り紙で自粛を呼びかけ、プレーヤーの気分を害さず粋な注意をするお手本として話題となりました。
集客だけでなく、安全面とマナーを考えると、取り入れるべきツールか否か悩ましいところですが、キーワードは「ユーモア」ではないかと思います。お店、あるいは施設としてのスタンスが決まったら、プレーヤーにも他の人々に対しても、強硬姿勢で臨むよりユーモアを交えて伝える方が、伝わるのかもしれませんね。
もちろん自身がプレーヤーの場合、きちんとマナーを守りたいものです。
ポケモンGOの今後は
この世の中に、永遠に続くブームはありません。ですが、多くの人々が恩恵を受けるビジネスモデルとして、大きな可能性を感じます。
まず運営母体はゲーム内課金の他、企業コラボ等で大きな利益を得ます。また、コラボした側の企業側も集客が見込めるため、大きな利益につながります。コラボするマクドナルドは、7月既存店舗の売上高が26.6%増加したとニュースになりました。もちろんコラボだけが原因ではないでしょうが、少なからず影響はあったと考えられます。
「ポケモン」というキャラクターの価値も上がりました。リアルな全盛期を知らない世代もこれを機に知るきっかけとなり、キャラクターグッズの売り上げも増えるでしょう。併せて、周辺機器も売れています。スマホのバッテリーが飛ぶように売れています。今後も「ポケモンGOをするために…」として、様々なグッズやサービスが増えるでしょう。
当然、権利侵害につながるビジネスや、ポケモンGOを騙った詐欺は言語道断ですが、単なる人気ゲームの普及という事だけではなく、日本の経済に大きな影響を与えることは間違いなさそうです。
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