
制作部門てんくる
新規卒業者の一括採用・終身雇用制度・年功序列など日本独自の人事制度は、益々議論対象になってきています。
新卒採用に関して企業側の採用意欲は、2020年現在も高い水準を維持しており、正社員職の人手不足感は依然として高く、企業にとっては厳しい状況が続いているのが現状です。そのため、企業側の採用活動の動きが早くなってきている傾向が見られます。
このような環境において、企業側は学生との相互理解をより深めるため、学生に就職体験を提供する「インターンシップ」は、キャリア教育として重要な機会となっており、約8割の学生がインターンシップを経験しています。企業側も学生と短期間に多くの接触機会を持てるようにと、工夫に余念がありません。
三重県内の短期大学生の就職支援をする中で、学生の声を直接機会が多いのですが、その際学生から多く聞かれる「就職したい企業についてのキーワード」がこちらです。
では、学生の言う「安定している会社」とは、どのような会社なのでしょうか?マイナビ2020年卒大学生就職意識調査の結果にはこうあります。
安定している会社=大手企業のイメージがあったのですが、実際の所は認識に変化が出てきているように見受けられます。経済や労働環境の先行き不透明さから、大手企業=安定を保証してくれるものではないという考えが生まれ、これから伸びそうな会社=将来的にもなくなることがない安定している会社であると捉えられるようになってきました。学生の本音は、大手企業、中小企業、ベンチャー企業に関わらず、今後も成長が見込めて、将来的にも安定している条件の良い会社に入社したいとの考えが主流になってきていると思われます。
<総括すると…>
□ 将来的な収入<入社後すぐの待遇を重視
□ 今の安定<将来的な成長性が重要
いくら売り手市場ととはいえ、自身が就職したい職に就くためには学生側も努力が必要です。就活支援の学生面談を重ねる中で、複数企業の内定をもらった上で、早い段階で自分の希望の企業の内定を勝ち取る『就職の勝ち組』に共通する意識・行動パターンがあると感じています。
1・キャリアを自ら切り開いていくものだという意識を持っている。
2・自分自身(家族も含め)の人生設計がしっかり描けている。
3・技術革新の進歩により求められるタスクが変わることを意識している。
こうした意識を持った上で、自分の強みを見つける為に多くの機会を見逃さず活かし、スキルを磨き続ける姿勢を持った学生を企業も求めているのかもしれません。
2月から様々な就職フェア(ハローワーク・各商工会議所・各商工会主催など)が始まります。業界・仕事の研究を進めるのに早すぎることはありません。ぜひ、積極的に参加していただくことをお勧めします。
そして、早い段階に企業が主催するインターンシップに参加することも大切です。最初から自分の可能性を狭めたりせず、色々な経験を重ねる中で自分の将来がみえてくるのではないでしょうか。
時間の問題でWebを活用するのも一つですが、できる限り自分自身の目・耳で実際に確認し、企業と接触の機会を多く持つようにした方が良いと思います。自分の人生を切り開くためには、やはり自分自身が体感すること、行動することが何よりも大切です。
もちろん、消極的な性格で苦手…という方もいると思います、確かに性格を変えるのは難しいと感じるかもしれませんが、ほんの少し行動は変えることで大きく道が開かれるならチャレンジしてみてほしいと思うのです。あえて、就職フェアに参加する時、一番前に着席するだけでも良いのです。自分の人生を切り開くことができることができるのは、間違いなく自分自身なのです。
地方の中小企業の多くが、学生獲得に苦戦しています。企業側もこれまで以上に「認知度アップ」と「社内環境の整備」に力を入れていく必要があるかと思います。2020年マイナビ企業採用調査より、企業が認知度アップするための施策を紹介します。
1・インターンシップ
2・学校のキャリアセンター訪問
3・業界研究、就職フェアへの参加
4・社員、学生の座談会や懇親会の実施
5・社内見学の受け入れ
6・学内講義への協力
また、他社の取り組みもまた気になるところ。企業認知調査でこれから企業全体で取り組みたい項目として、次のような項目が挙がっています。
□学内セミナーへの参加強化
□若手社員による学生への仕事内容の解説
□SNSの活用、WEBセミナーへの参加
いかがですか?インターンシップは今後より活発になると考えられます。学生側にとって、将来のキャリアに関連した就業体験を行うことは、仕事理解につながり就職後感じるギャップの低減と仕事へのモチベーション向上などにつながります。企業側としても、早期に学生との接触機会ができたり、業界全体として学生を育てる機運を育てることにつながります。また、企業側はインターンシップ以外にもWEBの活用など、コストのかからない新しい手法にも積極的に取入れ、学生側の行動パターンを鑑みた施策をすることが重要なのではないでしょうか。
2月13日(木)「業界・おしごと研究 LIVE in TSU」開催!